闘う医師
2019年来日。
コンゴのデニ・ムクウェゲ医師。
彼は産婦人科医です。
鉱物資源を巡って武装勢力が争う同国。
地域生活を破壊し人を追い払うためレイプが兵器として利用されている。
彼は「知らなかった」では済まないと語る。
「無関心」は常に悪い結果を生む。
他者への「無関心」は、私たちの人間性に大きな傷をつける。
我々は同じ人間なんだ。
世界の人々はみな、同じ「人間性」を共有している。
私たちは互いに支え合う責任もある。
私は日本の「利他」という考え方がとても好き。
アフリカにも「ウブントゥ」という言葉がある。
それは「あなたがいるから私も存在できる」ということ。
人生で大切なのは自分のことだけ考えない。
他者の気持ちになってみる。
私は自分のためだけに生まれたのではない。
私がここにいるのは皆さんのため、女性のため。
他者の人生をより良くするために自分には何ができるか。
生きる使命を自分のことだけに限っては人生は狭くなる。
病気に苦しむ子どもたちに会い、出産で亡くなる女性に会い、必要な治療を受けられずに死んでいる人たち。
牧師の父について家々を回る。
父は祈りを捧げるが、薬を与えないの?と聞くと。
医者じゃないからねと。
それが医者を志すきっかけになったようです。
そして姉妹と同じように自分を育てた母に感謝の言葉を口にする。
「ウブントゥ」とは、「他者を通してのみ人は存在できる」ということ。
他者の人間性を認めれば、自然に尊敬し合う関係が生まれる。(←仏法ですよね)
私たちは皆互いに依存しあっている。
皆がいるからこそ私も存在できる。
広島を訪れ、メッセージを受け取ったという彼。
我々は「希望」を持たなければならない。
「希望」あらばこそ未来を生きることができる。
被爆した木を見た。
根が残っていたため大きな木に再生した。
この木と同じように私たちもまた「人間性」という根を守り残せば、再び芽が出て大きな木が育っていくのだと。
「希望」はここにあります。
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