シンパシーとエンパシー
2022年06月11日
ブレイディみかこ著、「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」を読んでいる。
英国で暮らすアイルランド人の夫をもつ著者の子供の話。
その中で、シンパシーとエンパシーがでてくる。
イギリスでは、移民や階級間の格差などの問題が大きくなっているらしい。
シンパシーは、感情だ。
一方、エンパシーは想像する能力といったところか。
シンパシーの意味は、色々あるようだけど、誰かをかわいそうだと思う感情とある。
まあ、英語は母国語じゃないので意味とかニュアンスはよくわからないが、この際関係ない。
他人を可哀想と思う感情は正しいのだろうか。
感情というのは心に湧いてくるものだから、正しいも間違いもないと思うかもしれない。
しかし、感情はその人を取り巻く環境に大きく左右されているのではなかろうか。
育った環境とか。
他人を可哀想と思うのは正しいのだろうか。
ひょっとしたら不遜ではなかろうか。
仏教では知恩報恩という。
恩を知り恩を報じる。
自分という存在は、全ての存在から恩恵を受けている。
その恩を返していくのが報恩行だ。
誰かを哀れんでということではない。
法華ごころP213にも大乗精神として「世間の博愛主義やボランティアと同じではない」とある。
そういうわけでシンパシーとエンパシーではなく、知恩報恩をお薦めする次第。